不信感だらけ
うちの息子などは大人になってもそれなりに少しずつ成長を遂げています。
障がい者の介助は辛いことが多いかもしれませんが、何かしら得るものがあるとお母さん方も頑張れるのではないでしょうか?
ところが、重度の障がい者を抱える親御さんは、そうした頑張っただけの見返りみたいなものがあまりないために、どうしても人間不信に陥りがちになるのではないでしょうか?
例えば、毎日毎日息子のパニックで怯えているお母さんに新しい事業所を紹介しても一向に契約しようとはしません。
「新しいことに挑戦すると、その反動でまた家で暴れるから・・。」と言うのです。
まあ、確かにそんな失敗はよくあることです。
要するに、お母さん自体に事業所の職員さんを信頼しようとする気持ちが生まれないからでしょう。
今までに、「この職員さんには大変お世話になった。」とか、「この職員さんはとても一生懸命だ。」といった経験がないからだろうと思われます。
お母さんに職員さんに対する信頼感が生まれなければ、一生我が子を他人に託そうとはしないでしょう。
実に残念なことです。
そうして、自分が老いて、もうどうにもならなくなるまで自宅で息子さんの面倒を見ることになってしまうのだと思います。
パイロットウォーク2017
昨日は父子で恒例のパイロットウォークに行ってもらいました。
見事に毎年良い天気ですよね。
障がい者の皆さんの行いの良いことといったら。。
息子が利用する移動支援事業所の奥さんも誰かのヘルパーとして来ていたそうです。
お父さんが写真を送ってくれました。
やっぱり移動支援は便利ですものね。
出掛けたがる本人さんと、だんだん外出が億劫になってきた親御さんの要望に応えてくれる素晴らしい福祉サービスだと思います。
猿山の方面までしばらく歩いて、それから抽選会をしながら昼食を食べたそうです。
障がい者本人もそんなに負担にならない行事なので、育成会だけで200人を超える大行事になってます。
良い啓発運動なのではないでしょうか?
のんびりした土曜日
週末の土曜は、いつもは作業所に行かない時は富山型デイサービスに行かせるんですが、最近断られてしまうので珍しく家で過ごしました。
天気が良いので、息子に大好きなメロンのかき氷を食べさせようと海まで行ってみました。
息子がよく行くタラソピアのある場所です。
とても風の気持ちの良い日でした。
他の家族連れも陽気に誘われて結構来ていました。
こんなにじっくり波を見るのは何年振りかしら?
まったりと過ごせて良かったです。
立派な息子の態度
一昨日の施設見学では、変貌を遂げる施設に驚かされましたが、一緒に行った息子の様子にも大変驚きました。
まず、施設の玄関に入ったのですが、靴をちゃんと外向きに揃えて脱ぐのです。
これにはビックリでした。
いつもは家でも、富山型デイサービスでも脱ぎ散らかし、靴を揃えて脱ぐ姿など見たことありません。
しかも、私の真似をして脱いだわけではなく、私より先に靴を脱いだのです。
一体誰が息子にお行儀を教えてくれたのでしょう?
作業所でしょうか?
用した生活介護事業所でしょうか?
とにかく、人が違うようで驚いてしまいました。
更に、様々な説明を受けて応接室を出るときのことです。
私が立ち上がってお礼を述べていると、息子が隣で気を付けの姿勢を取り、「あん!」と頭を下げています。
これも驚き!!
やっぱり作業所で毎日挨拶をしているからなのかなあ。
親の知らぬ間に立派になってるのね。。
例え福祉作業所でも、毎日通勤し、働くことは本人を着実に育てるものなのだと確信いたしました。
まるで老人施設
さて、昨日は作業所を早退させて、息子と一緒に山の中の入所施設に見学に行きました。
始め、応対した女の職員さんが「前に見学に来られた時よりだいぶリフォームして変わったんですよ。」と説明があったので、私はてっきり老朽化してリフォームしたのだとばかり思ってました。
ですが、それは見当違いでした。
高齢化する利用者に対応したリフォームだったのです。
まず、以前小上がりになっていた和室の休憩室を、フラットにしてフローリングの床にしていました。
洗面所は車椅子でも対応出来るよう、高さを低くして設置してありました。
入浴室はもっと驚きでした。
車椅子のまま入浴できる椅子浴が設置してありました。
もうここまで来ると、知的障がい者の施設ではありません。
老人施設そのものです。
高齢化する障がい者の現実を見せつけられて、私は声も出なくなりました。
正直言って、介護が必要な状態になれば、利用者を老人施設に送れば良いはずです。
それをせず、敢えてリフォームまでして利用者のお世話をしようとする施設の姿勢に頭が下がりました。
「介護保険を使えば1割の自己負担が重くのしかかる。住み慣れたこの施設で、せめて医療的ケアが必要になるまで面倒を見たい。」とする園長さんの信念と、それに追従する職員さんの熱意が目頭を熱くします。
おそらく、富山県じゅうの障がい者施設もこの入所施設同様、利用者の高齢化に向けた対応に迫られることになるでしょう。
私はもう息子のショートステイなんてどうでも良くなり、突き付けられた現実に、帰り道は半ば放心状態でボーっとしておりました。