蒲公英日記

自閉症の青年のお話です。

完敗

近所に支援学校の後輩の子が住んでいます。
お父さんから、「スキーの動画を見てほしい」とURLがラインで送られてきました。
動画は11ヶ月前とあったので、昨シーズンにアップしたようです。
始めはスキーを履かされて、恐る恐る滑っていました。
(まあ、こんなもんだろな。)と観てました。
途中からスキーウエアの色が変わりました。
背も伸びた感じで、どうやら今シーズンのようです。
途端に斜面をガンガン滑りまくる少年の映像になりました。
なんじゃこりゃ!!
リフトに乗って、山肌を颯爽と駆け抜けます。
挙句にゴンドラまで乗っているではありませんか。
うちの息子はゴンドラに乗せたことはありませんから、完全に負けです。
やられてしまいました。
と、ここで私の言いたいのは、息子が後輩の子にスキーで負けてしまったことではありません。
息子の場合は、特別支援学校でちゃんとスキー学習があったので、家でもゲレンデに連れて行ったのです。
ちょうどお姉ちゃんもスキー学習があり、必然的に連れて行ったのもあります。
しかしながら、後輩の子の場合は、入学した時にはもう特別支援学校ではスキー学習が無くなっていました。
にも関わらず、お父さんが自主的にスキーをさせたのです。
もし、お父さんが「スキーをさせたい!」と思い付かなければ、この子がスキーが得意なことは誰も気付かなかったでしょう。
うちの息子のジグソーパズルと同じです。
周りの人間が気付いてあげなければ、その才能は埋もれたままになっていたかも知れないのです。
これはとても大切なことです。
と同時に、とても怖いことです。
このことは、どの自閉症者にも言えることではないでしょうか?
いつ、どの時点で、埋もれたままになっている才能や技術を、誰が、どこで、開花させてあげるかは、私たちの大きな使命なのではないでしょうか?